これまでの上映

「ひかりの伴奏」

2010.5.8.土.


【上映】
ワルツ(小林亮太/25分)
鳥籠(小林亮太/3分)
ダンス(磯部真也/5分)
ビジター(磯部真也/3分)
同時伴奏&ライブ:古川麦

*5月の「キネマれんず豆」は豊穣です。
小林亮太、磯部真也と二人の新進監督による短編から超短編まで4作品の上映を軸に、
アシッドフォークのプリンスとして名高い双葉双一が初主演した短編映画「ワルツ」の上映、
8mm映写 機を持ち込んでの8mmフィルム作品上映、オークランド生まれの音楽家古川麦に
よる映画BGMの同時伴奏ライブ、ちょっとしたランチにはれんず豆のスープ と胚芽パン
などなど。古川麦は映画生伴奏以外にも、単独のステージも聴かせてくれます。
ランチにお酒に珈琲に、昼下がりの代官山で映画鑑賞とシャレ込みま せんか?

開 11:30 演 12:00 ・ 前 1,500 当 1,500 +1D 500
レンズ豆のポタージュスープ

◯上映を終えて、館長より◯

今回はキネマれんず豆はじめての試みが盛りだくさんな昼下がりでした。

まず、8mm映写器をフロアーに持ち込んでの8mmフィルムの上映。

あれは何でしょう、映写器が回るあのカタカタカタカタッという音は。その音の届くところの空間すべてを支配してしまう。

そして世に散らばる温もりを凸レンズで集めたかのような、その投影される映像は。

会場がもっとも暗転してからはじまったのは、或る部屋に少しの時間だけの「訪問者」である陽光を変わった手法で撮影した「ビジター」。磯部真也監督は、とてもパーソナルな次元の事柄で匿名性の高い表現をしてきます。彼の眼差しはそのままカメラであるかのよう。無音の作品ですが、映写器の回る音がBGM以上を奏でます。

作品が終わるとフィルムはリールの片側へ巻かれ終わり、フィルムの尻尾をヒラヒラ回転させながら、もっと乾いた音をさみしく響かせます。それを慣れた手つきで次なるフィルムへ換えていく小林亮太監督を薄いスポットライトが照らし、会場中の静かな視線を集めます。

誰もがいつもより耳を澄ましているように思えます。

そうしてはじまった「鳥籠」は、走馬灯のようにホワイトアウトした景色の中に、肉体労働風のいかつい人々が流れていきます。

総天然色では演出し得ない人々の「やさしさ」が投射され。それだけではありません、この作品中は、古川麦さんがステージ上のギターで映写器の音と一緒に同時伴奏してくれました。これもキネマれんず豆はじめての試みのひとつです。

ライブハウスと言う音響に特化した場所の利点を生かして、いつかやってみたかった同時伴奏がこんなにぜいたくなシチュエイションで実現したわけです。

その後は古川麦さんのソロステージ。ピアノとギターを駆使し、バンド「表現」のお二人も加わった美しい景色も見せてくれました。

この日は前回と同じく、ランチメニューとして「れんず豆のポタージュスープと胚芽パン」を300円で楽しんでいただきました。来場者のおよそ半分の方がちょっとしたランチを満喫してくれたようです。

麦さんのステージ前後に転換の時間を設けたので、そのあいだにお酒のオカワリを注文されたり、タバコを吸ったりとみなさんそれぞれにライブハウスでの上映を楽しんでくれています。

その後も、続けてDVDでの「ダンス」と「ワルツ」の上映があり、二人の新進監督の作家性を浮き彫りにしながら「ひかりの伴奏」はそのスクリーンを閉じました。